- Good Quality -
アルバ醸造学校を創設したドミツィオ・カヴァッツァが1894年にバルバレスコの農民を9人集めて組織し、その後発展したのがこの「プロドゥットーリ・デル・バルバレスコ(バルバレスコの協同組合)」です。
通常のバルバレスコが毎年安定したクオリティを発揮し評価を得ていますが、優れたヴィンテージにはアジリ、モッカガッタ、モンテフィーコ、モンテステファノ、オヴェッロ、パイエ、ポーラ、ラバヤ、リオ・ソルドという9つの単一クリュのリゼルヴァも生産されます。
今回試飲したパイエは南西と西向きの畑で、バッソ、ジョルダーノが所有する同クリュから9,733本が生産されています。
公式には「フルーティー&ソフトタンニン」と表現され、2000年という暖かいヴィンテージのワインであることが表明されていますが、実際にはあまりヴィンテージ観が表現されておらず、どちらかというとタイトで厳格な気難しさが前面に出ています。この「思いのほか固い(意外と長熟系)」という指向性は、決してパイエに限ったことではなく、ポーラやオヴェッロにも共通する性質として大なり小なり表れていたので、生産者としての判断が結果的にこのようなスタイルを導き出したのだと思います。
ネッビオーロにしては色が濃く、抜栓日は特に抽出の強さや収斂性が気になりますが、時間とともに僅かずつほぐれていき、ボトルの底の方にもなると小粋な果実味が顔を出し始めるので、完成形を見据えた上でのパズルのピースは意外と揃っている印象を受けます。果実味がややカプセルに閉じ込められたような傾向にあり、まだまだ他の要素と一体化するような気配すら見せないので、美点が素直に開花するようになるにはまだまだ多くの時間が必要だとも感じます。もしストックできる余裕があれば、とりあえず3~5年程度は様子をみた方が無難かもしれません。
(2007/04)