- Very Good Quality -
アルバ醸造学校を創設したドミツィオ・カヴァッツァが1894年にバルバレスコの農民を9人集めて組織し、その後発展したのがこの「プロドゥットーリ・デル・バルバレスコ(バルバレスコの協同組合)」です。
通常のバルバレスコが毎年安定したクオリティを発揮し評価を得ていますが、優れたヴィンテージにはアジリ、モッカガッタ、モンテフィーコ、モンテステファノ、オヴェッロ、パイエ、ポーラ、ラバヤ、リオ・ソルドという9つの単一クリュのリゼルヴァも生産されます。
今回試飲したラバヤは南西向きの畑(石灰と粘土が混じった砂礫質土壌)で、アントナ、アロッサ、ビアンコ、カセッタ、レンボ、リニャーナ、マンツォーネ、ヴァッカ、ヴェッツァが所有する同クリュから16,524本(+1,738本のマグナム)が生産されています。
同じ2011年ヴィンテージの他のクリュと比較すると、純粋なボディの厚みはあまりなく、ややフラットな傾向にありますが、それでも非常に熟度の高い果実に、粒立ちのある強い苦味が過不足なく体躯内に行き渡っていることもあり、全体像としては心地よく良質なバルバレスコ像を構築してくれています。今回のロットの印象だと、相対的に他のクリュよりも若干果実感のみ熟成が進んでいる傾向にあり(逆にタンニンはより硬い)、仄かにマデイラのようなニュアンスも感じられますが、元々の果実の熟度の高さと相まって、どこか妖艶な表情を生み出しているのが印象的でもあります。特に翌日以降に持ち越すと、当初は控えめに感じたボディに適度な張りと充足感が生まれ、他のクリュよりも一段収斂した強固なタンニンを有しつつも、バルバレスコらしいエレガントさは決して失っていないので、時間の経過と共にどんどんポジティブな印象へと昇華していく傾向にあります(バローロのような厳格さや厳しさが前面に出ず奥に秘められている)。
相対的に、早飲みするよりも一定の熟成を経た方がより良い表情を生み出すような印象でもあるので、妖艶な果実味とドライなタンニンが一体化していく姿を、じっくり時間をかけて嗜んでもらいたいところです。
(2019/11)