- Good Quality -
1999年ヴィンテージは2004年度版のガンベロ・ロッソで最高評価のトレ・ビッキエーリを獲得し、さらにその中でベストバリューの1本に選ばれるなど、これまでにはない程の高評価を得ています。
1998年ヴィンテージは思いのほか若い印象を受けましたが、1999年ヴィンテージは抜栓直後から素直に楽しめる良質なバランスと熟度を兼ね備えています。全体的な視野から捉えた構成要素は1998年とほぼ同じながら、各要素の力関係とバランスが大きく異なり、こちらはキュートな果実をベースに酸やタンニンなどが追従するスタイルとなっていました。過去のヴィンテージを通じて感じられた芯の強い苦みもあまり感じられず、総じて向かいやすい魅力的な表情だと言えます。
従来通りのクリアで冷淡な表情を持っているのは確かですが、加えて魅力的な艶を感じるので総じてポジティブな印象を受けます。ボリュームは控えめで繊細ではありますが、しっかりとしたポテンシャルを持っているので、現状では翌日以降に持ち越すぐらいでじっくり向き合う方がより一層高い満足感が得られると思います。ヴィンテージを重ねる毎に成長している印象を受けるので、今後の発展により一層の期待が持てる1本だと思います。
(2004/12)