- Good Quality -
アルバ醸造学校を創設したドミツィオ・カヴァッツァが1894年にバルバレスコの農民を9人集めて組織し、その後発展したのがこの「プロドゥットーリ・デル・バルバレスコ(バルバレスコの協同組合)」です。
通常のバルバレスコが毎年安定したクオリティを発揮し評価を得ていますが、優れたヴィンテージにはアジリ、モッカガッタ、モンテフィーコ、モンテステファノ、オヴェッロ、パイエ、ポーラ、ラバヤ、リオ・ソルドという9つの単一クリュのリゼルヴァも生産されます。
今回試飲したパイエは南西と西向きの畑(カルシウムが多い石灰質土壌と粘土を含む砂礫質土壌)で、バッソ、ジョルダーノが所有する同クリュから10,000本が生産されています。
ベースとなる土台に適度なボリューム感があり、ある種、プロドゥットーリ・デル・バルバレスコらしい粒立ちのある明確な苦味、そして収斂したドライで強いタンニンを内包しています。純粋な果実感はかなり控えめなので、口当たりの良い陽的なバルバレスコを望む人には向いていませんが、この強いタンニンを主体とした立ち振る舞いは非常に堅牢性が高く、何より食事とともに楽しむことでうまくピースがハマるスタイルなので、サービス次第では非常に高い満足感を飲み手に与えてくれます。
全体像としては陰的な傾向にありますが、それでも無骨さや素っ気なさが突出しているわけではなく、思いの外しっかりとバランスが取れているような印象でもあるので、ポテンシャルは意外と高い印象を受けます。ワイン単体で高い完成度を誇るタイプではありませんが、エネルギー総量はかなりのレベルなので、このあたりはさすがクリュ・バルバレスコといったところではあります。
(2019/11)