- Very Good Quality -
アルバ醸造学校を創設したドミツィオ・カヴァッツァが1894年にバルバレスコの農民を9人集めて組織し、その後発展したのがこの「プロドゥットーリ・デル・バルバレスコ(バルバレスコの協同組合)」です。
通常のバルバレスコが毎年安定したクオリティを発揮し評価を得ていますが、優れたヴィンテージにはアジリ、モッカガッタ、モンテフィーコ、モンテステファノ、オヴェッロ、パイエ、ポーラ、ラバヤ、リオ・ソルドという9つの単一クリュのリゼルヴァも生産されます。
今回試飲したオヴェッロは南西と西向きの畑で、アウダッソ、カヴァッロ、クラヴァンゾーラ、ゴネッラ、グラッソ、マッフェイ、オドーレ、サロット、ウニオ、ヴァッカ、ヴァラルドが所有する同クリュから17,160本+マグナム1,420本が生産されています。
10年の熟成で一定水準に達する一体感を獲得していますが、まだまだエネルギーは豊富で今後も更なる長期熟成が可能な印象を受けます。バルバレスコとしては思いの外しっかりとした酒質を兼ね備えた傾向にあり、黒系の果実感に野性味や森林を感じる複雑性を内包しています。表層的には清涼感のある酸が意外としっかり主張していて、後味にかけてリゼルヴァらしいビターな苦味が程よく広がります。余韻はやや細めですが、熟成による一体感と良質なバルバレスコ像が素直な魅力となって結実しているので、コストパフォーマンスの高さも含めて文句なくお薦め出来ます。
(2023/02)