- Good Quality -
「ヴィーニャ・ダルチェオ」や「サンマルコ」といったスーパータスカンを生み出すことで有名な、カステッロ・デイ・ランポッラの「キャンティ・クラッシコ」です。
現代の醸造技術の恩恵が明確に感じられる全体像であり、そのバランス感や、サンジョヴェーゼらしさを生かしつつも現代の指向に沿わせている点など、基本的なスタンスについては十分納得出来るだけの内容を披露してくれると思います。密度は十分で、果実らしさもある程度感じられますが、主体となっているのはあくまでも酸なので、相対的にはやや控えめに位置づけられています(この重量配分は良好)。やや医薬品系のツーンと来る揮発系要素があるものの、特別ネガティブというわけではないので、もし気になるようであれば2〜3日時間を与えてやれば良いと思います。
価格的にも造り的にもより上位に位置するアルチェオやサンマルコの内容が素晴らしいので、ついこのキャンティ・クラッシコにも期待してしまいますが、良質ではあるもののあくまでもスタンダードクラスといった内容になっているので過度の期待は禁物です。そういう意味では相対的に多少割高感もありますが、それでも以前よりはかなり手を出しやすい価格帯になっていることもあり、1999年のような従来像+現代指向という程よい世界観に仕上がっていることを考えると、今の価格帯は思った以上にバランスがとれていると言えるのかもしれません。
(2011/08)