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ワインメーカーにジャコモ・タキスを迎え、フランス品種をベースとしたワインを造り出す「カステッロ・デイ・ランポッラ」のワインです。
1998年のヴィーニャ・ダルチェオは、カベルネ・ソーヴィニヨン85%、プティ・ヴェルド15%というセパージュになっています。カベルネ・ソーヴィニヨンとサンジョヴェーゼで造られるサンマルコとは異なり、アルチェオの方はフランス品種のみでブレンドされる完全ボルドースタイルとなります。
サンマルコと同様に、たおやかな表情が魅力的なミディアムボディなスタイルで、ビターチョコ風味、ブレのない酸、小気味良い果実味と、限られた世界観の中で遺憾なく表情が磨き上がられています。ボルドースタイルではありますが、完全に開ききるとイタリアワインらしい酸味主体の資質に昇華する点が興味深く、このあたりは品種よりもテロワールの影響が強く現れた結果なのかもしれません。
1998年というヴィンテージの特性上、パワーや豊かさに溢れるスタイルではありませんが、根本的資質から湧き出てくる訴求力がひしひしと伝わってくるので、文句なく納得できる仕上がりとなっています。とはいえ、気軽に買える価格帯ではないという本質的な問題もあり、純粋なコストパフォーマンスという点においてはやや難しい部分もありますが、名実共にトップクラスの領域に位置するワインであることは確かなので、一度は飲んでおきたいワインだと言えます。
ちなみに、このワインは2001年度版のガンベロ・ロッソで最高評価となるトレ・ビッキエーリを獲得しています。
(2006/03)