- Good Quality -
「ヴィーニャ・ダルチェオ」や「サンマルコ」といったスーパータスカンを生み出すことで有名な、カステッロ・デイ・ランポッラの「キャンティ・クラッシコ」です。
さすがに猛暑と言われた2003年だけあって、一口目から甘く芳醇な果実味が伝わります。ただし、甘いと言っても過熟感やダレはなく、その果実の力に見合った仕立てがキッチリ施され、サンジョヴェーゼらしい張りを感じる酸味がうまく全体を補完しています。
現時点ではやや表層的な指向性が強い傾向にありますが、それでも想像を超える程の可能性を秘めており(品質というより表情という意味で)、猛暑からくる構造の弱さや緩さが完全に消えることはないかもしれませんが、「ランポッラらしさ」と「キャンティ・クラッシコらしさ」の両方を表現できる誠実さがあるので、邪念なく素直に「今後の成長過程を見守っていきたい」と感じます。
1999年の価格帯を考えると、やや高価な傾向にあるのが非常に残念ですが、ユーロ高の影響を考えると致し方ないのかもしれません。純粋に「とにかく品質が高く美味しいものを!」という人や、「世の中の評価(パーカーポイント等)が高いものを!」という人にはあまりお薦めできませんが、日の当たる部分も陰の部分も、正面から真摯に向き合うことができる人には是非体験して欲しい1本だと言えます。
(2007/05)