- Good Quality -
「ヴィーニャ・ダルチェオ」や「サンマルコ」といったスーパータスカンを生み出すことで有名な、カステッロ・デイ・ランポッラの「キャンティ・クラッシコ」です。
キャンティの中枢といわれるパンツァーノに位置しながらも、粘土質土壌であることや国際色を強めるという方向性から、ランポッラはフランス品種を積極的に使用し、サンジョヴェーゼは補助品種的な扱いとなっています。フランス品種に注視している現状を考えると、サンジョヴェーゼが主体となるキャンティ・クラッシコのクオリティが気になりますが、明確な重量感はないものの、想像を遥かに超える次元での安定感があり、コッテリと甘いだけの果実味で攻める今風ワインとは一線を画する出来となっています。
色調はかなりクリアで、抜栓直後からまったくぶれることなく最後まで一貫したクオリティを披露してくれます。酸と果実の一体感が心地よく、精細なタンニンがちょうど良い密度感で構造を支えており、どことなくサンマルコと共通するような実直さを感じます。時間経過をものともしない圧倒的な安定感を発揮してくれますが、それが逆に大量生産的な側面を伺わせる瞬間も僅かにありました。ただし、これはいついかなる時でもポテンシャルを発揮してくれるという安心感にも繋がるので、個人的にはポジティブに受け取りたいと思います。
見た目の印象とは異なり、実際には膨大な量の澱が含まれているので、場合によってはデキャンタに移して事前に澱を取り除いておいた方が無難かもしれません。
(2004/02)