- Recommended -
元々がヴァルポリチェッラだったこともあって、直前に飲んだ2003年のヴァルポリチェッラ・クラッシコに似た世界観となっていました。ただし、通常のヴァルポリチェッラ・クラッシコよりも緻密で繊細な表情が特徴的で、より上質な果実力と高い解像力が印象に残ります。
1997年ヴィンテージは、2001年の試飲時ですら固く軋んだ状態が続きましたが、今回のヴィンテージに関しては抜栓直後から素直に楽しめ、若々しいキュートで豊満な果実の魅力が溢れています。
凝縮系のパラッツォ・デッラ・トッレとはスタイルが異なるので、同列で比較してしまうと、ラ・グローラの本質を見失いかねないので注意が必要です。ラ・グローラの場合、コアの凝縮感はパラッツォ・デッラ・トッレと肩を並べるものがありますが、その周囲に土着品種の魅力的な表情を纏っているので、じっくり時間をかけて向き合う程にその真価を発揮するタイプとなっています。たっぷりと時間を与えることで滋味やエキス分がじわじわ湧き出てくるので、まさに「スルメワイン王」の称号に相応しい懐の深さだと言えます。
過去に飲んだ1996年や1997年とは異なる表情と世界観ではありますが、本質的な部分での資質や魅力はまさに「ラ・グローラ」といえるものであり、早くから飲んでも素直に楽しめると言う大きな魅力も存在します。近年のユーロ高にも負けずまだ手頃な価格帯を維持できているので、同社のアマローネやラ・ポヤといった真のハイエンドを堪能する前に是非お薦めしたい1本です。
(2005/02)