- Good Quality -
今回飲んだ1997年ヴィンテージから、ヴァルポリチェッラではなくただのラ・グローラとなり、結果D.O.C.からI.G.T.へと降格しています。しかし近年、原産地統制呼称という枠から自ら飛び出すスーパーワインが多く存在するので、既に地位を得ているラ・グローラにとってはそれほどマイナスにはならないでしょう。それよりも、昨年までとくらべてどう中身に変化がもたらされたのかが楽しみなポイントとなります。ちなみにセパージュは、コルヴィーナ70%、ロンディネッラ15%、シラー10%、サンジョヴェーゼ5%となっています。
実際の味ですが、抜栓直後は鋭角でキツめの酸味と軽めの口当たりが印象的で、常に暴れ蠢く不安定な状態でした。しかし時間がたつにつれ徐々にまとまりだし、比較的軽快な口当たりながらもフィニッシュにかけて昇華するような高貴なアルコール感が印象的です。現段階では1996年程のスルメ感はまだありませんが、それでも飲む者を引き付ける潜在的な力は感じます。できれば最低でも1時間、余裕があれば2時間以上飲む前に時間を与えることをお薦めします。場合によってはヴァキュヴァン等を使用して、翌日に持ち越した方がより美味しく飲めるかもしれません。
1996年とはスタイルが少し異なるので一概にはくらべられませんが、より玄人好みの味に変化しつつあるように感じます。コストパフォーマンスは高い位置でキープしているので、基本的にはお薦めできるワインだと思います。
(2001/06)