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バロン・フィリップが所有する3つのシャトー(ムートン・ロートシルト、ダルマイヤック(旧ムートン・バロンヌ・フィリップ)、クレール・ミロン)の内のひとつで、ムートンとラフィットの間に畑が位置するという素晴らしい立地条件となっています。
2005年のセパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン48%、メルロー40%、カベルネ・フラン10%、プティ・ヴェルド1%、カルメネール1%。実際の比率だけでなく、飲んだ印象も比較的メルロー比率が高めな印象でもあります。口当たりのなめらかさの柔らかさは心地よく、ちょうど飲み頃に入っている状態ではありますが、それでもベースとなるのはポイヤックらしいしっかりとしたタンニンで、熟成により甘みが出始めてはいるものの、熟度と純度の高さがうかがい知れる明確な苦味が感じられます。バランスもとても良く、カベルネの持つアクセントが完全に体躯に馴染み、ボルドーが持つ本質的な美点が遺憾なく発揮されている傾向にあります。
ポテンシャルのピークは若干抜栓日寄りではありますが、時間が経過してもタンニンが相対的に前面に出る傾向にあるだけで、全体像が崩れるほどではないので心配は無用だと思います。むしろ、抜栓日に遺憾なくその魅力を享受できるメリットを考えると、扱いやすさの面においても恩恵が得られそうな印象です。
(2015/04)