- Good Quality -
サンジョヴェーゼで造られる驚異のワイン「ペルカルロ」で有名な、サン・ジュスト・ア・レンテンナーノの「キャンティ・クラッシコ」です。
前年の2009年とはまったく指向性が異なり、突出したタニック由来による厳しさ、収斂さ、渋み、苦みなどが全体を支配しています。体躯そのものは細身で軽快ですが、そのタンニンレベルは直前に試飲した2003年のペルカルロに勝るとも劣らないほどのものとなっています。とはいえ、抜栓から3日異常経過させると、突如として表情が解けタンニン系要素の厳しさが消え去り、雪解けからの芽吹きのように優しくキュートな果実味が表出しはじめます。
局所的に謎なほどのポテンシャルは感じられるものの、それでもすぐに向き合うのは非常に厳しいので、今回の印象では最低でも後1年程度は様子を見たいところです。ただし、表層の陰な要素とは異なり、ベースにある表情そのものは優しく仄甘い魅力ある表情だったので、タンニンさえ熟れれば十分楽しめそうな印象ではあります。
(2013/12)