- Good Quality -
サンジョヴェーゼで造られる驚異のワイン「ペルカルロ」で有名な、サン・ジュスト・ア・レンテンナーノの「キャンティ・クラッシコ」です。
抜栓日はかなりキュートな印象が強く、質実でありながらも早くから飲めるよう、時代(市場)の流れに適合したような雰囲気を色濃く感じます。多少製品感あるフラットさが先行し、サンジョヴェーゼらしからぬ体躯の柔らかな丸さや(だが脆くはない)、キャンディのような赤い果実味が伝わってきますが、裏を支える微細で強固なタンニンレベルはかなりのもので、時間を多く与える程にその本質が露になる傾向にあります。
翌日に持ち越すと、初日のキュートさが嘘のように変化し、これぞ本当のキャンティ・クラッシコとでもいうべきタンニン力を発揮しはじめます。質実で飲みごたえのある世界観ではありますが、それでも赤系の果実味や体躯の仄柔らかさは資質の一部として残っているので、必要以上に飲みづらくなることはないと思います。本質的なタンニン力を考えると、長期的な熟成にも十分耐えてくれそうな印象ではありますが、早くから飲んでも楽しめる要素を取り込んでいるのも確かなので、それほど気にせず抜栓してもそう問題はないと思います。とはいえ、前年同様1〜2年待つだけでも良質な変化をもたらしてくれそうな印象もあるので(飲み手の嗜好に沿うかどうかはともかく)、何本か持っている人であれば期間をあけて定期的に飲んでみるというのも面白いかもしれません。
(2012/08)