- Very Good Quality -
三角ラベルが印象的な、「ABC」でお馴染みのオー・ボン・クリマが造るシャルドネです。20周年記念となった2000年ヴィンテージから始まったニュイ・ブランシュとブージュの融合ですが、今回の2009年は「コンペリング」というニックネームが付けられています。
オー・ボン・クリマの真の姿を表す「ブルー・シリーズ」に位置するのがこのニュイ・ブランシュ・オー・ブージュですが、そのポテンシャルがしっかり伝わる内容となっており、根本的な素性がエスポワールやキュヴェ Vといったレンジのアイテムとは異なることが理解できます。土台となる部分の厚みや重量感、そして豊かな「酸」を主体としたブルゴーニュ的世界観等、果実に頼った分かりやすいワインとはひと味違う指向性となっています。
表情そのものは比較的シンプルで、木の実や果実の甘味も明確に感じますが、相対的に控えめなのであくまでもアクセント程度になっています。主要素はあくまでも「酸」。ゆったりとした土台に乗る形でたっぷりの酸がしっかりと鎮座しているので、現状では多少飲み難い印象もありますが、温度をやや高めにして抜栓後十分に時間を与えてやれば、少しずつ力のある甘味が感じられるようになります。全体像をもとに鑑みると、酸が突出している傾向にあるのでバランス面はあまりよくありませんが、良質な酸やミネラルを主体としたワインに慣れている人であればそこまで敬遠することもないと思うので、より前向きになってその世界観を享受してもらいたいところです。
(2013/04)