- Good Quality -
フランス語で「希望」という意味の「エスポワール」と名付けられたこのワイン(実際は「ベスト・ブライダル」のラベルの上に「エスポワール」の文字が張りつけられている)。使用されるのはビエン・ナシードとロス・アラモス・ヴィンヤードのシャルドネです。これまで、最も手頃な価格帯に位置していた「サンタ・バーバラ・カウンティ」よりも下のレンジに位置しているので、そのコストパフォーマンスは非常に高いものとなっています。
オー・ボン・クリマらしい「ブルゴーニュを感じる」質実なスタイルがベースとなっており、シンプルながらもしっかりした酸と果実味が主体となった、落ち着いた佇まいとなっています。抜栓直後は少し樽の風味が前に出て、全体的に希薄さを感じる指向性相となっていましたが(所謂低価格帯に位置する世界観)、時間の経過とともに造りや素性のベースの良さが表出し、加えて絶えず安定して広がる良質なバランス感によって、その印象はより良いものへと随時変化していきます(翌日に持ち越すとなお良し)。
あくまでも料理とともに楽しむことで魅力が倍増する系譜にあり、この価格帯ならではの現実的な密度感、そして充実感となっていますが、それでも表面で受け取れる「美味しさ」には十二分なものがあるので、2k円レンジで購入出来るオー・ボン・クリマと考えると、そのお買い得感と満足感はかなり高いと言えるかもしれません。
(2013/04)