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オー・ボン・クリマの原点とも言える「ロス・アラモス・ヴィンヤード(95%)」と、「ル・ボン・クリマ・ヴィンヤード(5%)」をブレンドした、「ヒストリカル・コレクション」と呼ばれるアイテムがこの「キュヴェ V」となっています。基本的にはカレラのキュヴェ Vと同じで、インポーターのヴィノラムによるプライベートブランドというカテゴリーに位置しています(他にもアンペリデやアルフォンス・メロにもキュヴェ Vを造ってもらっている)。
前年の2008年の試飲時よりも1年瓶熟期間を長くとった効果もあるのかもしれませんが、若さから来る固さは感じられず、エスポワールのような華奢さや収斂感もないので、より充実した要素を具に享受することが出来ます。キュヴェ Vといえば、スタイルとしては全般的にインパクト系で端的な傾向にある印象ではありますが(造り手に関係なく)、この2009年は充実した果実感とたっぷりの旨味が一体化し、それに負けないだけの酸がうまく両立してくれているので、美味しさと良質さの両方をうまく楽しめる世界観だと言えます。
抜栓日の魅力がその後安定して継続し、3日目になっても変わることなくしっかりバランスしてくれているので、日常で飲むアイテムとしては非常に高い満足感を与えてくれそうです。市場の価格帯にやや幅はありますが、2k円レンジで購入出来るオー・ボン・クリマとしてはかなりコストパフォーマンスが高く、相対的にエスポワールの印象が良かった白とは違い、赤に関してはキュヴェ Vの方をよりお薦めしたいところです。
(2013/04)