- Good Quality -
セントラル・コーストの特別仕様とも言える「キュヴェ V」は、日本のインンポーター「ヴィノラム」のために造られたスペシャルブレンドワインで、セントラル・コーストにある5つの畑から造られるバレルセレクションワインとなっています。
スッキリとした体躯や高アルコール(なんと14.8%!)を基調とし、それらを裏で豊満な果実が支えるという、総じて同年のヴィオニエと同じ世界観になっていますが、シャルドネらしい中央のボリューム感、つまり体躯そのもの厚みがあるおかげで、思いのほかアルコールの高さは気にならず、なおかつ豊かな果実との一体感によって安定したボリューム感を享受することが出来ます。
まだ若いヴィンテージということもあり、しっかり時間を与えた方がより良い表情が生み出される傾向にありますが、そのコアにあるポテンシャルはやはりパワー系で、複雑な表情を生み出す系統ではないとも言えるので、仮に今飲んだとしてもその魅力は十分伝わってくると思います。抜栓後2〜3日程経過すると、貴腐系を思わせるかのような豊かな果実の表情があらわれ、細身でキレのあるスタイルとの対比として新たな魅力が加わることもあり、やはりヴィオニエと同じように緊張と緩和がうまく折衷されているような印象だったりします。通常のセントラル・コーストのような「気軽に飲める物腰」ではありませんが、それでもワインを飲み慣れている人で高いアルコール度数を苦にしない人であれば高い満足感が得られると思います(クオリティの差ではなく、葡萄の表情の差という意味で個人的にはヴィオニエをより推したい気分かも?)。
(2011/02)