- Good Quality -
「ブリッコ・ロッケ」などのバローロで有名なチェレットが造るモダンワイン「モンソルド」の2006年ヴィンテージです。
2001年のモンソルドを彷彿とさせる多量のタンニンがあり、口中に乾きや収斂を呼び込む程ではありますが、それでも時流に沿った「早くから楽しめる」という指向性をうまく取り込み構築している傾向にあり、熟した果実の甘味や瑞々しさ、そしてアタックから伝わる滑らかな表層など、思った以上の柔軟さを見せてくれます。
抜栓初日は、どこか若いドルチェットを彷彿とさせるような赤系要素のフレッシュさやキビキビ感が先行する傾向にあったので、今飲むのであれば翌日以降に持ち越すぐらいのスタンスでじっくり飲んで欲しいところです。現状でも十分納得出来るだけの内容は披露してくれますが、それでも各要素に込められたポテンシャルを考慮するとまだまだ全体像は見えず、むしろ「今でも飲める」というポジション内で精一杯のものを詰め込んだような印象でもあるので、これらのエネルギーから紡ぎださせる真の世界観は未知数といったところかもしれません(故に熟成させる楽しみが期待できるかも!?)。
1998年の鮮烈なイメージ以降、時代の流れに影響されて多少迷走しているような印象ではありましたが(モンソルドの立ち位置自体がそういったものではありますが)、今回の内容も含めて鑑みると、このクラスのワインを超えるだけの何かを掴んでいそうな印象もあるので、今後の歩みも含めて個人的には大いに期待したいところです。ただし、漫画「神の雫」に登場したことによる価格上昇の懸念も含め、どこか間違っておかしなブランドワイン路線に傾倒してしまわないことを祈るばかりです。
(2009/11)