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ブリッコ・ロッケはカスティリオーネ・ファッレットの葡萄で造られますが、畑は海抜312〜340mの南向き、広さは1.5haとなっています。チェレットが造るクリュ・バローロのハイエンドに位置し、生産本数も非常に少なく、名実共にフラッグシップワインだと言えます。
ブリッコ・ロッケは長期熟成が必要だと言われていますが、同ヴィンテージのプラポー、ブルナーテよりも1年長く寝かせておいたおかげか、驚く程素直で抜栓直後から素直に楽しめる状態になっていました。
1997年というヴィンテージらしく果実がたっぷりのっているので、深く考える必要のない美味しさがありますが、あくまでも含有するタンニンは膨大で、コアにある体躯の厳しさはヴィーニャ・ラッツァリートと同種のものがあります(体躯そのものはラッツァリートよりも半周りから一回り程大きい)。
明確な偉大さが発揮されたスタイルというよりは、わかりやすい魅力と旨味が詰まった傾向にあるので(ヴィンテージの影響かも?)、価格帯を考えた場合は幅広くお薦めしにくいのですが、一般的な「バローロ像」に対する距離感を取り除いてくれる顔の広さを兼ね備えているのも確かなので、バローロに良いイメージがない人ほど新たな発見があるかもしれません。
今でも美味しく飲めますが、ポテンシャルを考えると今後の熟成による成長も大いに期待できるので、バローロ好きな人であれば複数本入手し、毎年飲んで成長を見守るという楽しみ方にも向いていると思います。
(2006/01)