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「ブリッコ・ロッケ」などのバローロを造ることで有名なチェレット社のワインです。このモンソルドはバローロやバルバレスコとは異なり、フランス系葡萄品種とイタリア系葡萄品種のブレンドによって造られる新しいスタイルのワインとなっています。この98年はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ネッビオーロのブレンドで造られ、それぞれの品種の個性を生かすために別々のステンレスタンクで発酵されます。発酵終了後は小樽に移されマロラクティック発酵、そしてブレンドされ16〜18ヶ月間の熟成を経て出荷されます。
バニラの香りが特徴的で、昇るような果実の甘味と細身ながらもしっかりとしたタンニンの2本柱がしっかりと確立されています。現状では青く若々しい印象が強く、各要素が混じりあうことなく独立して個性を発揮しているのですが、それはそれで魅力的であり素直に美味しく飲むことができます。今から2〜3年後の様子をみてみたくなるのが本音だったりしますが、将来的な姿を想像させる魅力こそがこのワインの持つポテンシャルの高さなのかもしれません。
一見するとボルドー的ではありますが、密かに潜むイタリア的酸味や南的スタイルも感じるので、既存の枠にはめ込めるようなものではないでしょう。全体的にはかなり分かりやすいスタイルだと言えるので、素直にサクサク飲めてしまうのも事実です。現状では確かに若干のあざとさも感じますが、よりよいヴィンテージへの期待感を考慮すると十分満足することができると思います。
モンソルドにはラベルはないのですが、そのかわりに重厚感のあるオリジナルボトルを使用していて、瓶の側面にはドットで「Monsordo」と刻まれています。さらに、生産者名やヴィンテージ等の表記は直接ボトルにプリントするほどの凝りようです。見た目で通常以上に楽しむことができるので、人が集まる時にも威力を発揮してくれるのではないでしょうか。
(2002/06)