- Good Quality -
サンジョヴェーゼで造られる驚異のワイン「ペルカルロ」で有名な、サン・ジュスト・ア・レンテンナーノの「キャンティ・クラッシコ」です。
全体的には凡庸系の要素やフラットな指向性も感じられますが、レンテンナーノらしい造りが随所に感じられることもあり、成すべきことはしっかり成されたような安定した良さが伝わります。同ヴィンテージのクエルチャベッラのキャンティ・クラッシコと比べると、全体を通じてややこぢんまりとした傾向にありますが(表情や要素の振幅が少なくやや地味)、そのかわり一体感や均質さに分があるとも言えるので、より安定した表情を望む場合はこちらの方が適しているかもしれません。
若くても既にバランスが取れており、この地の持つポテンシャルを上限まで無理なく活用したような雰囲気があります(逆に言うとこれ以上を望む場合は他のアイテムを選ぶべき?)。角が丸くトロミのあるコアの資質が印象的で、その性質故に高アルコール特有の飲みにくさは特に感じられません。思った以上に早く楽しめる印象ではありますが、抜栓後3日ほど経過すると纏っていたベールが綺麗に解け、本来兼ね備えた果実の充実度や力量が輝きを見せ始める傾向にあったので、もしかすると数年の熟成によって明確な昇華を果たしてくれるかもしません。いずれにせよ、今の段階で一度飲んでおくと、将来的な成長曲線を知るためのひとつの基準になりそうです。
(2009/03、2010/03)