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造り手の「カ・マルカンダ」は、バルバレスコの改革を先導して行ったことで有名なガヤが、近年注目を集めるボルゲリの「マレンマ」で興したワイナリーです。手掛ける赤ワインは「カマルカンダ」「マガーリ」「プロミス」の3種類で、この「カマルカンダ」は造り手を代表する最上の1本だと言えます。葡萄には国際品種が用いられ、ブレンド比率はメルロ-50%、カベルネ・ソーヴィニヨン40%、カベルネ・フラン10%となっています。
スルッとした流麗感ある舌触りにガヤらしさが感じられ、熟れた樽風味(新樽バリック的ではない)に程よい密度感や堅牢感、そして小気味よい酸がアクセントになった、素直に楽しめる仕上がりとなっています。比較的落ち着きのあるスタンスですが、いたって現代的な指向性を持ち、メルローをメインにひと回り小さくカベルネ・ソーヴィニヨン、後は補助品種、といった、まさにブレンド比率通りの印象で、同ヴィンテージのレヴィア・グラヴィア程ではないものの、基本的に「熟した果実の甘味」が先行する傾向にあるので、個人的にはもう少し風格や質実さ、そしてオーラを感じるようなポテンシャルが欲しいと感じます。
果実の甘さ先行型とはいえ、破綻がないようしっかり仕上がっているので、安易さや短絡的な方向性はそれほど感じないと思います。しかし、翌日に持ち越した時の熟れた具合から推し量ると、コアの本質的エネルギーに若干の不安が感じられるので、本家のバルバレスコやランゲに比類するような長期熟成能力は持ち合わせていないのかもしれません(というより、熟成を必要としないスタイルなので今飲んで普通に美味しい)。
ちなみに、このワインは2005年度版のガンベロ・ロッソで最高評価のトレ・ビッキエーリを獲得しています。
(2008/02)