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バローロ村の西端付近の丘にある偉大なクリュ「ブリッコ・デッレ・ヴィオーレ」を中心に、北側に隣接する「フォッサーティ」、南東に隣接する「ラ・ヴォルタ」、そして西側に隣接する「コステ・ディ・ヴェルニェ」、これら3つのクリュをブレンドして造られるのがこの「アルベ」。
ヴァイラらしい濃密で熟度の高いリッチなスタイルのバローロで、ややジャミーな傾向にあり、ある意味あまりバローロらしくない印象も確かにありますが、それでも以前試飲した2009年と比較するとかなりポジティブな表情を見せてくれます。粒立ちのあるピリッとした苦味に重厚なボディ、そして熟した果実の甘みと適度な熟成による妖艶さが相まって、わかりやすくストレートに訴求してくるのが印象的です。現時点で一定の熟成感はあるものの、それでも要素が充実しているので、純粋な寿命は長くポテンシャルは高いと思われます。ただし、果実感がフレッシュさとは対極にあるようなネットリとした怪しさを纏っていることや、全体的なバランスやパッケージングといったワインの基本骨子を構成する要素など、まだまだ課題も多く残っていると言った感じかもしれません(それでも価格帯を考えると内容は圧倒的)。
(2021/11)