- Good Quality -
ワイン名のレジットは、「合法な」「正当な」という意味の「Legitimate」が省略されたスラングで、本物や高品質といった意味を持ちます。ラベルにはワイン名から転じて、本物のアーティストと崇めるジャズピアニスト「セロニアス・モンク」のアルバム「Thelonious Monk in Italy」のジャケットを使用しています。
非常に充実した内容に、他のトライーニのアイテムとは一段異なるレベルの質実さが印象的です。リッチで濃密、豊富なタンニンに高アルコール(14%)と、基本的にはトライーニらしい分かりやすいスタイルのモダンワインではありますが、カベルネ・ソーヴィニヨン100%とは思えないほどバランスが整っていて、メトキシピラジンによるグリーン系のニュアンスは皆無。未熟要素が一切感じられないだけでなく、同時にイタリアらしい「酸味」がしっかり中心に存在していることもあってか、熟した果実やリッチなボディのみが先行してしまうようことがありません。アル・パッソやモンテベッロ・セッテのようなサンジョヴェーゼ系の酸味とは質感がまったく異なり、ボディに馴染むクリーンな系譜にあるのも好印象です。
時間をかけてじっくり向き合うと、流石に他のアイテムにも共通するトライーニ的な甘味がやはり気になる傾向にはありますが、それでもグラス一杯を短時間で嗜むような状況であれば、非常に高い訴求力を発揮してくれそうな印象でもあります。他のアイテムよりも価格帯は上になりますが、それに応じた内容に仕上がっているのは確かなので、個人的には下のクラスよりも上のクラスのアイテムをお勧めしたいところではあります。
(2021/10)