- Good Quality -
畑は「植ノ山畑」と「原口畑」の2箇所。樹齢はそれぞれ10〜11年と5〜6年。収穫日は19年10月1〜2日、11月6〜7日。アルコール度数12%、総酸度4.7g/l、pH3.6、生産本数は1,180本。セパージュはシャルドネ95%にプティ・マンサン5%。軽めの全房プレスで天然酵母のみで発酵。全体の95%を新樽比率50%で約11ヶ月間熟成してからリリースしています。
通常のシャルドネとはかなり異なる世界観なのが印象的で、アタックのヒリヒリとした辛味に、ボリューム感のあるぽってりとしたボディ、仄かなシトラス、そして比較的シンプルに全体が構成されている点は同様ですが、ボディの厚みと果実の甘味が根本から異なることで、結果として受ける印象もガラッと変化します。この辺りはプティ・マンサンがブレンドされている影響も大きそうですが、樽発酵ソーヴィニヨン・ブランも同じような世界観の変化が見られたので、樽発酵のラインは単なる同一品種の延長線上に展開するような系譜ではなく、あくまでも別角度での切り口といった印象でもあります。
スッキリとした清涼感あるスタイルなので心地よく飲めるものの、翌日に持ち越すと全体を引き締めるドライで辛味のある要素が穏やかになり、相対的にボディの厚みや果実の甘味がより明確になる傾向にあります。時間とともに青リンゴ系のサッパリさとともに、洋梨やパインなどの熟した果実の甘味に焦点が集まることもあり、実は受ける感覚以上の甘さを内包している印象があります(ある程度バランスをとってマスキングはされている)。栽培されるシャルドネの中でも特に優れた葡萄のみを選別して醸造していることもあり、その濃密やさ内包するポテンシャルには十分な物を感じますが、それでも通常のシャルドネと同じように、相対的には樽発酵ソーヴィニヨン・ブランの方に分がありそうな印象でもあるので、ピンポイントに「ウッディファームのシャルドネが持つ世界観が好み」という層以外は、素直にソーヴィニヨン・ブランの方をお勧めしたいところではあります。
(2021/09)