- Good Quality -
畑はワイナリーから程近い「生居畑」と「植ノ山畑」の2箇所。樹齢は9〜10年。収穫日は19年9月25日、10月1〜2日。アルコール度数11.1%、総酸度5.4g/l、pH3.4、ボトリングが20年6月2日、生産本数は4,534本。全体の6.6%を古樽で熟成、それ以外をステンレスタンクで8ヶ月間熟成してからリリースしています。
色調はやや薄めで彩度が低めの黄色。アタックにはヒリヒリとした辛味としっかりした酸、そして一定の丸みとボリューム感のあるボディに、仄かなシトラス、さらには思った以上に酒質を支える樽要素を感じます。構成要素は比較的シンプルかつ端的に纏まっていますが、無濾過かつ殺菌加熱をしないという基本的な造りや、系統違いで3種類の酵母を使用、更には天然酵母によるキュヴェもブレンドしていることなど、良質なワインに必要な要素をしっかり抑えていることもあってか、表層で感じる以上の複雑さと緻密さが伝わってきます(この辺りの基本特性はウッディファームの全てのワインに共通)。
翌日以降に持ち越した時の表情の変遷などを鑑みると、価格帯以上のポテンシャルを持っているのは確かですが、相対的にはソーヴィニヨン・ブランの方に僅かな優位性が見られる印象でもあります。とは言え、飲み手を選ばないニュートラルな立ち位置と、葡萄本来のエネルギーや蔵王(山形県)のテロワールから放たれる本質的な力など、十分な魅力を持っていることからウッディファームを知るための最初の一本として最適な印象を受けます。
ちなみに、日本ワインコンクール2019でこのシャルドネの2018年ヴィンテージが金賞を獲得しています。
(2021/09)