- Very Good Quality -
ニュージーランド最南端のワイン産地「セントラル・オタゴ」を代表する生産者であり、かつ、ニュージーランドのトップ5に数えられる一流生産者でもあるのが「フェルトン・ロード」。
フェルトン・ロードの起源となるエルムズ・ヴィンヤードから東に1kmほど移動したところにあるのがこの「カルヴァート・ヴィンヤード」。畑のオーナーは「オーウェン・カルヴァート」ですが、長期リース契約を行っているので、実際の畑の管理や栽培に関する手入れは全てフェルトン・ロードが行っています。
高い熟度を誇る黒系果実の表情が心地よく、落ち着いた佇まいの中、しっかりとした輪郭に凛とした酸が全体をうまく纏めています。純粋な果実の表情はコーニッシュ・ポイントに近いものがあり、丸く豊かなボリューム感を兼ね備えていますが、他のキュヴェにはない適度な硬質感と一体になった酸が感じられ、その表情や指向性には一定の差異が存在します。相対的には、バノックバーンの明快さとコーニッシュ・ポイントの質実さ、その両方をバランスよく揃えた中間型のような印象でもありますが、果実そのものよりも骨格の方により重きを置いているような傾向にあるので、世界観としては他とは違う固有の雰囲気が感じられます。
バノックバーン程の鮮烈さはないものの、開栓日から落ち着いた品位ある魅力が広がり、それでいて翌日に持ち越しても安定的に世界観が広がっていきます。同時にポテンシャル系の要素も感じられますが、コーニッシュ・ポイントのような「1〜2年先が見てみたい」といったことはなく、むしろ今飲んでちょうど良いスタンスでもあるので、こういった観点からも他の2つのキュヴェの中間に位置するような印象を受けます。
(2018/10)