- Good Quality -
アタックにやや苦味が先行する傾向にはありますが、内部の果実味は熟度が高く、適度な熟成感と仄かな橙のニュアンスが一定の魅力を放っています。直前に試飲した通常のキャンティ・クラッシコとの2年の差がそのまま感じ取れるような熟成差ですが、それでも骨格は厳格で軋みも伴っているので、素直に飲みやすいようなスタイルではありません。とはいえ、より上のクラスを感じる資質や構成力は好印象で、相応のポテンシャルを十二分に感じることができます。
フェルシナといえばランチャやフォンタッローロと行ったトップキュヴェの印象が強く、その下に位置するスタンダードラインはやや地味でクオリティについても一定の差がある印象でしたが、今回の一連の試飲によって、この数年でも明確な地力が付いてきている印象を改めて持つ結果となりました。それぞれの価格差がそのまま世界観や内容の差に結びついている印象でもあるので、相対的なお買い得度のバランスは思いの外良好なのかもしれません。
(2018/02)