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多くのブランドを展開するチャールズ・スミスですが、中でも「Kヴィントナーズ」はチャールズ・ズミスの中核に位置し、こだわりを持って極少量飲み造られるハイエンドのラインになります。
ザ・ヒドゥンには、同じワルーク・スロープのミルブラントにも使用されている、ノースリッジ・ヴィンヤードのシラーが使用されています(100%全房発酵)。キャトル・キングと同じように、表ラベルには「K」の文字しか記載されていませんが、ワイン名やヴィンテージなど、その他の必要な情報は全て裏ラベルに記載されています。
2011年という冷涼なヴィンテージの作柄がそのまま反映された綺麗な酒質なのが印象的で、ステンレスのような冷ややかな質感に、微細なタンニンとスパイスが相まった細粒感が静かに伝わります。程よい熟成を経ていることで表情は落ち着き、何事にも動じない凛とした佇まいが広がりますが、その優しく滑らかに訴求する姿は、ある意味、インパクト勝負の派手なスタイルとは対極にあるとも言えます。
オーパス・ワンやリッジのガイザーヴィル、そしてイングルヌックのルビコンやカスクの試飲時にも同様の印象を受けましたが、2011年というヴィンテージの持つ冷涼感がひとつの個性となっている傾向にあり、滋味深いワインの良さを理解できる傾向にある日本人であれば、より前向きに捉えることができそうな印象があります。高価で稀少性も高く、2012年や2013年はさらに高い評価を受けていますが、飲み頃感がありヴィンテージのスタイルがより明快な2011年を敢えて選ぶというのも、また一味違った面白い選択肢になりそうです。
(2017/02)