- Very Good Quality -
多くのブランドを展開するチャールズ・スミスですが、中でも「Kヴィントナーズ」はチャールズ・ズミスの中核に位置し、こだわりを持って極少量飲み造られるハイエンドのラインになります。
ミルブラント・ヴィンヤードは、1997年にブッチ&ジェリーというミルブラント兄弟によって植樹されたのがその始まり。Kヴィントナーズのミルブラントは主に複数の畑のブレンドで造られますが、ワシントンの中では最も乾燥して暖かいエリアと言われるワルーク・スロープのワインで、ヴィンテージによって使用される畑は異なるものの、2014年はクリフトン・ヴィンヤード(38%)とノースリッジ・ヴィンヤード(62%)のシラーが使用されています。醸造については、スキンコンタクトが40日、新樽比率は35%で16ヶ月間の熟成となっています。
Kヴィントナーズのラインの中では最も手軽なポジションにあるアイテムですが、その反面、込められたエネルギーはかなり豊かで、よりポテンシャルを感じる仕上がりになっています。若いヴィンテージということもあり、現状ではヒリヒリするほどの辛みを伴う高いアルコール感と(15%)、ニューワールドらしい凝縮した甘い果実味が際立った端的な表情になっているので、抜栓後にしっかりと時間を取るか、もしくは2〜3年程度熟成させる方が無難です。特に抜栓直後はやや彩度が高く、シラー特有のスパイシーさやテクスチャ感はかなり隠蔽されている傾向にあるので、余計な肩の力が取れるまでは忍耐強く待つことをお勧めします。迫り来るパワーとアルコールによってかなり飲みにくいのが難点ではありますが、表層でうかがい知れる端的な要素にとらわれることなく、じっくり紐解いてその本質を露わにしていけば、最終的には価格以上の満足感が得られると思います。
(2017/01)