- Good Quality -
逸品級のバルバレスコ「クリケット・パイエ」で一躍脚光を浴びた造り手「ロアーニャ」の「ドルチェット・ダルバ」です。
基本的な指向性は同年のエリオ・アルターレのドルチェット・ダルバと同様ですが、その表情はやや純朴な傾向にあります。現状ではまだ若い印象で、体躯そのものは柔らかさがあるものの、その表層には軋みを伴う硬さが先行します。ヴィンテージのスタイルなのか、純粋な果実味はやや乏しく、結果として酸が目立つ傾向にあり、仄かに納屋的な退廃感が広がるのがやや気になるところではあります。
2009年のような良質さがあまり感じられないのがやや残念ですが、全体的なバランスは程々に取れていて、現状でも抜栓後にしっかりと時間を与えれば表情も改善されるので、価格の上昇傾向が許容できれば、現実的な選択肢として考慮する余地はまだありそうです。
(2017/01)