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ブレカやタリマ・ヒルなど、スペイン内の隠れた産地で造られる高品質ワインを、アメリカを中心とする様々な国々に送り出したホルヘ・オルドネスですが、彼自身が自ら設立したボデガで造る極甘口ワインがこの「ビクトリア」。
セパージュは、樹齢50年以上のマスカット・オブ・アレキサンドリア100%。陰干しして造られることもあって、非常に密度の高い甘みを有しているのが非常に印象的です。濃密なマスカットの甘みは、仄かにオレンジ系のニュアンスも感じられ、その豊富な甘みに負けないだけのしっかりとした酸と、10%という程よいアルコールによる飲みやすさから、その魅力がストレートに飲み手に伝わります。この突き抜けるような明快な魅力は非常に抗い難く、おそらく万人にその良さが伝わると思います。貴腐系の極甘口ワインよりもアイスワイン系に近いスタイルで、決して圧倒的という領域に足を踏み入れているわけではありませんが、現実的な範疇で最大限力を発揮している様は、飲み手を置き去りにしない良質な世界観へと繋がります。
(2016/07)