- Good Quality -
モナストレル(仏のムールヴェードル、豪のマタロと同じ品種)100%で造られるアリカンテのワインです。15%と高アルコールで、しっかりとした密度を感じる仕上がりですが、現代的な指向性が色濃い仕立てとなっていて、そのラベルの見た目の印象通り「妖艶な果実の甘さ」が主体となっています。相対的にやや甘味が強いようにも感じられますが、それでも高アルコールによる飲み難さも特になく、しっかりとした酸があることで適度な軽快さを保っているので、その瑞々しさも相まって無理なく飲み進めることが出来ます。
翌日に持ち越すと、印象的だった果実味が減衰し、相対的に酸がやや表に立つようになります。体躯もやや華奢になるのでどことなく「祭りの後」的な余韻を感じますが、それでも適度なエネルギーの減衰感なので、全体を俯瞰すると意外とちょうど良い塩梅なのかもしれません。いかにも点数評価を得そうな指向性ではありますが、価格帯を考えるといたって真っ当な内容だとも言えるので、世間の評価はあまり気にせず素直に楽しんでもらいたいところではあります。
(2013/01)