- Good Quality -
今回のアイテムはビーニャ・アラルバ以来となるカラタユドのワインですが、ワイン・アドヴォケイトによる非常に高い評価の影響もあり、産地云々とは関係なく今まさに旬なワインとなっています。カラタユドらしい標高の高さ(950m~1000m)と、アラルバに勝るとも劣らない古木のガルナッチャ(1925年〜1945年に植樹)が最大の特徴で、造り自体は現代的な基準をベースにした明確な表情となっています。
一言で言うと、まさにパーカー好みとでも言うべき「濃くて甘い」仕上がりではありますが、体躯は豊満な柔らかさがありつつも、スッキリとした表情を生み出す適度な軽快感と親近感により、無理なく多くの人が楽しめる中庸加減が程よい落としどころになっているとも言えます。抜栓日はやや端的すぎる印象ではありますが、翌日に持ち越すとより良い表情へと推移してくれる傾向にあるので、食事(ハッキリとした味の料理により合う)とうまく合わせれば更に高い満足感が得られそうです。
重量ボトルやモダンなラベル等、見た目で楽しめるのも大きなポイントで、この価格帯以上の総合力を兼ね備えているのは間違いありません。地味や旨味、そして酸を重視する人にとってはやや魅力が半減するかもしれませんが、濃厚系とはいえども現代的な基準に則って造られているので、少なくともベースとなる良質さはしっかり享受出来ると思います。
(2013/05)