- Good Quality -
一時期、バローロの新たな潮流として名を馳せた「バローロ・ボーイズ」。その仕掛人でもある「マルコ・デ・グラツィア」がエトナで2002年から手掛けているのがこの「テヌータ・デッレ・テッレ・ネーレ」。
単一区画の個性や魅力を表現しているのが最大の特徴で、グアルディオーラ、サント・スピリト、フェウド・ディ・メッツォ、カルデラーラ・ソッターナという4種類の単一区画を造っています。なかでもカルデラーラ・ソッターナは、すべての区画の長所を兼ね備えたバランスのよい世界観だと言われています。
2010年とは異なる指向性を持ち、全体を通じて「熟した果実味による甘み」が主体となっています。黒系果実のどっしり感と、赤系果実のキュートさ、その両方が強い熟度を持って体躯に込められた傾向にあり、全体としてはスッキリ纏まっているものの、各要素の一体感は今一歩といったところかもしれません。暑いシチリアらしさと、標高が高く冷涼なエトナらしさ、その両方が感じられ、兼ね備えたポテンシャルそのものは十分ですが、完成度と言う意味ではまだこれからといった印象でもあります。
(2016/06)