- Recommended -
一時期、バローロの新たな潮流として名を馳せた「バローロ・ボーイズ」。その仕掛人でもある「マルコ・デ・グラツィア」がエトナで2002年から手掛けているのがこの「テヌータ・デッレ・テッレ・ネーレ」。
セパージュはスタンダードなエトナ・ロッソやカルデラーラ・ソッターナとまったく同じネレッロ・マスカレーゼ98%にネレッロ・カップッチョ2%。4種類のコントラーダのうち、グアルディオーラに次ぐ700〜750mという標高に畑が位置しています。このサント・スピリトは、グラツィアいわくアメリカの女優「エヴァ・ガードナー」を彷彿とさせ、その最大の特徴は女性的で魅惑的なスタイルとなっています。
果実の甘味と旨味がとても印象的で、その甘みは過熟系の資質を有しながらも、冷感ある綺麗で引き締まった表情が主体となっています。畑の標高の高さが反映されたシチリアらしからぬエレガントさが好印象で、解像度そのものは低めでぽってりとした豊満な体躯ではありますが、素直に楽しめる魅力ある表情が全体を通じて広がります。カルデラーラ・ソッターナと比較すると魅力がより明快なので、幅広い層に支持されそうな印象を受けます。
(2014/12)