- Good Quality -
一時期、バローロの新たな潮流として名を馳せた「バローロ・ボーイズ」。その仕掛人でもある「マルコ・デ・グラツィア」がエトナで2002年から手掛けているのがこの「テヌータ・デッレ・テッレ・ネーレ」。
セパージュはスタンダードなエトナ・ロッソとまったく同じネレッロ・マスカレーゼ98%にネレッロ・カップッチョ2%。ブルゴーニュやランゲのように単一区画の個性や魅力を表現しているのが最大の特徴で、グアルディオーラ、サント・スピリト、フェウド・ディ・メッツォ、カルデラーラ・ソッターナという4種類の単一区画を造っています。なかでもカルデラーラ・ソッターナは、すべての区画の長所を兼ね備えたバランスのよい世界観だと言われています。
基本的な指向性はスタンダードなエトナ・ロッソと同質ですが、より充実した中身、果実の表情、樽による適度な仕上げ風味など(新樽比率25%の小樽で18ヶ月熟成)、より上位としての風格に見合う仕立てで造りあげられています。本質的には細身で酸が強く、タイトで軽快ながらも収斂したタンニンが豊富で、やや陰な傾向のポテンシャル系要素が主体となっています。数日経過させると肩の力がとれ、本来の表情が露となる傾向にあるので、今飲むのだけでなく熟成用途としても有用かもしれません。
(2013/06)