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ピエモンテでは、一般的に単一品種のみで造られるワインが多くを占めていますが、この「ラ・ヴィッラ」はバルベーラ60%、ネッビオーロ40%と、非常に珍しいブレンド比率で造られています。
エリオ・アルターレらしい良い意味でモダンな明快なスタイルなのが非常に印象的で、抜栓直後からストレートにその素性が伝わります。熟度の高い甘く凝縮した梅旨味系の果実味と、しっかりとした酸が組み合わさってできる、「わかりやすい表情から生まれる美味しさ」こそがラ・ヴィッラのひとつの指標とも言え、若干表層的な指向性が色濃い傾向にはありますが、この明快こそが多くの人に訴求する要素だとも言えそうです。
抜栓日はややコントラストが高く、葡萄の甘みと酸味の一体感もまだまだといったところですが、翌日に持ち越すとしっかりと一体化し、端的ではあるものの「甘酸っぱい魅力=明快な美味しさ」としてうまく昇華してくれます。やや安易な指向性と捉えられがちな世界観ではありますが、ベースの葡萄力そのものがしっかりとしていることもあるので、決してネガティブな印象は受けません。ただし、相対的に価格が高い傾向にあること、また、ラリージやアルボリーナなどと同価格帯ということを考慮すると、やや選びにくい傾向にはありそうです。
(2016/05)