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これまで、どちらかというと白のトレッビアーノ・ダブルッツォの方がが印象的な傾向にありましたが、2010年に関しては、赤のモンテプルチアーノも十分な内容に仕上がっている傾向にあります。
葡萄の凝縮感がしっかりと感じられ、微細なタンニンとその果実が一体となった顆粒感、それらが体躯内部に均一に配置され、程よいバランスの上で成り立っています。漢方系のハーブ風味をアクセントとし、そのねっとりとしつつも軽やかな立ち振る舞いや、サンジョヴェーゼにも共通する滑らかで質感、また、14.5%という高いアルコール感による迫力など、ある意味、全体的な構成要素としては以前と類似する系統にありますが、バランス感や一体感からくる本質的な訴求力によって、総じてよりポジティブな印象を受ける傾向にあります。
表情そのものはあまり番人受けするような世界観ではありませんが、手頃な価格帯にある一般的なモンテプルチアーノとは一線を画するクオリティなのは確かなので、モンテプルチアーノという品種の真のポテンシャルを知るにはちょうど良いアイテムかもしれません。
(2015/09)