- Good Quality -
2001年にニュージーランドのマーティンボロでワイナリーを設立。今やニュージーランドを代表するだけでなく、世界基準で非常に高く評価される日本人醸造家「楠田浩之」によるシラーです。
2010年は平年よりも涼しめの夏と、寒暖差のある秋が特徴となり、冷涼な地域のシラーとして典型的なスタイルに仕上がっているようです。熟成はフレンチオークバリック(新樽比率27%)で20ヶ月間。糖度は22.0〜23.5、総酸量は5.6g/l、アルコール度数は13.5%。生産本数は2,764本のみとなります。
海藻やヨード系の風味に仄かな梅系の旨味が感じられ、程よい落ち着きと適度なスパイシーさを兼ね備えていますが、全体的に体躯が緩みがちで鈍い傾向にあり、どことなくフォントディのシラーのような資質が脳裏を過ぎります。翌日に持ち越すと全体的な結束力が増し、当初よりも苦みや鉄分を感じる資質がより前面に出るように変化しますが、構成要素としては十分なものを兼ね備えつつも、まだまだこれからといった印象で、どちらかというと未完な印象がより強くなる傾向にあります。
ピノ・ノワールの高評価に続き、シラーについても年々評価を高めているので、まずは今後の成長と進化に期待したいところです。
(2015/03)