- Good Quality -
単一クリュによるキャンティ・クラッシコ「ヴィーニャ・デル・ソルボ」や、世界的に高評価を受けるスーパータスカン「フラッチャネッロ」などで有名な「フォントディ」が造るシラー100%のワインです。単一品種で造られるこの「カーセ・ヴィア」シリーズには、シラー以外にもピノ・ネロ100%で造られるワインも存在します。
シラーというと南仏的なイメージが思い浮かびますが、思いのほか背筋が通ったそつのなさや、比較的品のある統一感があり、思ったよりも南的なパワフルさは感じません。葡萄の凝縮感や全体の仕立て具合はなかなかのものがあり、素直に美味しいと感じる良質なポテンシャルを誇っているのですが、なぜかボディ全体に締まりがなく、構造維持力や堅牢感に不足する印象を受けます。
程よい瑞々しさがあるので果実の凝縮感に負けない飲みやすさがあり、構造力に関するネガティブな印象を差し引いても素直に楽しめるのは事実です。しかし、どうも「ゆるゆる」とした印象が後を引くので、どうしても良い面を尊重しにくくなってしまいます。資質そのものはしっかりと評価できるので、もしかすると今回飲んだボトルが本来の力を発揮できていなかっただけなのかもしれません。今回の印象だけで全てを判断するのは尚早過ぎるので、また別のボトルや他のヴィンテージをチェックしてみたいところです。
(2005/02)