- Good Quality -
一時期、バローロの新たな潮流として名を馳せた「バローロ・ボーイズ」。その仕掛人でもある「マルコ・デ・グラツィア」がエトナで2002年から手掛けているのがこの「テヌータ・デッレ・テッレ・ネーレ」。
セパージュはネレッロ・マスカレーゼ98%にネレッロ・カップッチョ2%。同じセパージュで造られるカルデラーラ・ソッターナとは指向性がやや異なり、キュートな赤系果実による軽快な魅力が主体となっています。
あくまでも日々の食事に合わせて楽しむ指向性であり、気軽に飲めるエントリー的指向性を持っていますが、酒質としては意外な程に質実で、カルデラーラ・ソッターナと比較してもその本質に大きな差異はありません。ただし、キュート系ではあるものの、意外な程に収斂性が強く、赤系果実の要素は表情を感じる程度で、実際に甘味として感じる程のボリューム感はありません。個としての主体性を持ちつつも、日本的な日々の食卓にマッチする程よい落としどころを見据えているので、点数的な評価以上にうまく食事に華を添えてくれそうな印象があります。
(2013/06)