- Good Quality -
モンテヴェルティーネらしいスタイルは健在で、サンジョヴェーゼの特徴をよく捉え、気温の低い地域ならではの引き締まった体躯に、赤系の小気味よい果実味と旨味が詰まっています。酸に収斂要素が加味されキュッと引き締まりますが、以前試飲した2006年とは異なり、抜栓直後から楽しめる明快な表情が広がるので、モンテヴェルティーネの持つ個性と良さは素直に伝わると思います。
ピアン・デル・チャンポロのような気軽に飲める甘く軽快なスタイルではなく、かといってペルゴレ・トルテのような充実した要素を感じるスタイルではありませんが、逆に言うとちょうど両者の良い所取りといった折衷スタイルとも言えるので、立ち位置としては絶妙なポジションなのかもしれません。価格的な面も概ね内容に応じた水準にあるので、総じてバランスの良いアイテムだとも言えそうです。以前とは異なり、抜栓後時間が経過するほど少しずつなだらかに落ち着いていく傾向にあったので、その本質に変化はないものの、時代の流れとともにその表層における力点に関しては微調整が行われているのかもしれません。
(2014/10)