- Good Quality -
モンテヴェルティーネのワインらしい、纏まり感のある小気味よい体躯サイズに、親近感ある表情の果実、そしてサンジョヴェーゼらしいタイトさと酸があり、その本質は十分伝わってきます。
ミッド〜ハイトーンな酸が主体となっているものの、クエン酸系の酸味なので飲みにくさは特にありません。外見上は、今からでも飲める融和さを持っていますが、本質的なコアの固さや収斂性が思いのほかあり、フィニッシュにかけて口中に渇きと軋みがじわりとやってくるので、サンジョヴェーゼという葡萄の本質を見極めるという意味においては相当の時間が必要かもしれません(抜栓後3日経てば随分固さはとれる)。
2006年は優良ヴィンテージで、それに応じるように各ワイン誌の評価も非常に高くなっていますが、残念ながらその評価をリアルに感じるような世界観、そして仕上がりではなく、下手をするとかなりガッカリする可能性もあります(特に抜栓直後の印象があまり良くない)。一体感や美しい立体感を求めるスタイルではなく、バランス感もあまり良くないので万人受けし難い系譜だとも言えますが、それでも決して悪いわけではなく、むしろそれ相応の力量は兼ね備えているとも言えるので、得られる結果に関わらず、諦めることなくじっくり向き合って欲しいところです。少なくとも、受け身になっていてはその美点を享受することは難しいので、耐え忍びつつも自ら赴きその扉を開ける努力をした方が、最終的にはより良い結果が得られると思います(どちらかというと昔からサンジョヴェーゼが好きな人、もしくはサンジョヴェーゼとの対話法を知っている人向けかも)。
(2010/07)