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ビエン・ナシード・ヴィンヤードと比較すると、骨格の堅牢感や土台となる部分の力強さといった要素により力点が置かれている印象があります。ヒストリック・ヴィンヤーズ・コレクションとしての指向性は同質とも言えますが、オー・ボン・クリマらしい甘味&旨味はあくまでも健在で、それを彩るための他要素に堅牢感を付加させているような傾向にあります。
果実的なキュートな魅力も十分感じられますが、それに加えてスパイシーな風味や漢方系のハーブ風味等も感じられ、アフターにはピリピリとした痺れるような収斂要素も感じられます。全体を通して陰な要素が強いヒストリック・ヴィンヤーズ・コレクションの中では、相対的に陽な指向性がより強く感じられるので、より多くの人に受け入れてもらいやすい世界観になっているとも言えます(とはいえ、味覚的観点としてはやや飲み手を選ぶ傾向にあるかも)。
イザベルやノックス・アクレキサンダーなどのブルー・シリーズに比肩する価格帯なので、純粋なコストパフォーマンスとしてはやや分が悪い傾向にあるかもしれませんが、よりピンポイントにサンタ・マリア・ヴァレーA.V.A.におけるニールソン・ヴィンヤードのテロワールを感じたい人にとっては、他にはないより大きな魅力となって目に映るかもしれません。
(2013/11)