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オーナーのジム・クレンデネンの愛娘「イザベル」の名を冠したトップキュヴェがこのアイテム。他にも息子「ノックス」の名を冠したアイテムも存在します。
2007年のノックス程ではないものの、仄かな熟成感を感じる佇まいとなっています。しっかりとした色調で、まだまだ明確なエネルギーを感じるしっかりとした立ち振る舞いなのが印象的です。抜栓日はややまとまりに欠ける傾向にあり、オー・ボン・クリマらしい果実の乗った魅力と熟成感の間に多少の距離感がありましたが、時間とともにジワジワと魅力が増大する傾向にあり、翌日に持ち越す事で、渾然一体となった「オー・ボン・クリマ節」が遺憾なく広がります。求心力のある熟した果実の魅力と旨味、キュートでありながらも質実で明確な表情がいたって甘美で、抗う事の出来ない美点となって伝わります。
しっかりとしたアルコールがあり、フィニッシュにかけてやや苦みを伴いますが、カリフォルニアという大地が魅せてくれる大いなるポテンシャルは存分に伝わります。ややポテッとした軟質で、純粋な解像度は低めではありますが、ニューワールドらしい熟した果実味の率直な魅力、そしてそこから昇華し露になる魅力は、ひとつの個性、ひとつの方向性として素直に評価したいところです。
(2013/11)