- Good Quality -
白に関しても、ヒストリック・ヴィンヤーズ・コレクションは通常ラインとはやや異なるスタイルとなっていましたが、赤も同様に異なる切り口で仕立てられている傾向にあります。
最も印象的なのは主として広がる酸化熟成系の風味。果実味そのものはピュアで旨味を伴うものではありますが、漬物系の風味や熟れた要素がベースとして明確に存在します。抜栓後はややちぐはぐな印象だったりしますが、ものの数十分で一体感が増し、時間とともにどんどん各要素のピースが適切な箇所にはまっていくのを感じます。
翌日に持ち越すと酸化要素も熟れ、こぢんまりとしてはいるものの、オー・ボン・クリマらしい甘味と旨みが滲み出る魅力ある表情を形成してくれます。全体像とすると、どちらかと言えば自然派ワインに近い表情と言えるかもしれませんが、比較的落ち着きのあるアルコール感や、ある種のオー・ボン・クリマらしい魅力はしっかり感じさせてくれるので、価格的なハードルさえクリア出来れば個人的には十分お薦め出来る1本だと感じます。何はともあれ、オー・ボン・クリマの中核をなすビエン・ナシード・ヴィンヤードのポテンシャルを是非堪能してもらいたいところです。
(2013/11)