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1998年、2001年、2002年、2004年にパーカー100点を獲得した醸造家クリス・リングランドとダン・フィリップス、そしてホセ・ミゲル・サン・マルティンや、同じカンポ・デ・ボルハの造り手ボデガス・ボルサオ、さらにタリマ・ヒルなどでお馴染みのホルヘ・オルドネス等々、様々なメンバーによるジョイント・ベンチャーがこの「ボデガス・アルト・モンカヨ」です。
ベルベットのような質感に、心地良い均質さと密度感、そして黄や橙系の酸味が表情をうまく彩り、とても心地良い世界観を生み出しています。現代的な指向性を持つモダン・スパニッシュではあるものの、アルミレスのような突出したような指向性は一切なく、隅々まで行き届いた造り手の手腕が見事で、まさに「センス」や「感性」が具に感じられます。
あくまでも下のレンジらしいエネルギー総量ではありますが、その中でも見事かつ明確な解を導き出している感があり、どういった局面においても前向きに捉えたくなります。佇まいや指向性はどこかマタドールのミヤモト・ポル・ベンハミン・ロメオにも共通するものがあり、良質な世界観そのものを存分に楽しむ事が出来ると思います。コストパフォーマンスとしては上のレンジに位置する「アルト・モンカヨ」よりも分があるので、機会があれば是非試してみてもらいたいところです。
(2013/05)