- Good Quality -
ヴィンテージによってセパージュが変化しますが、2007年はシャルドネ40%、ソーヴィニヨン30%、ピノ・グリージョ30%となっています。シャルドネとソーヴィニヨンのみ発酵と果皮浸漬が一緒に行われ、別工程で行われるピノ・グリージョとブレンド後にMLFが行われます。
ダリオ・プリンチッチのスタンダードアイテムはモノセパージュが基本となっていますが、このトレベツに関しては「ブレンド」で造られます。このあたりは、グラヴネルの「リボッラ(単一)」と「ブレッグ(ブレンド)」の関係性に近いスタンスなのかもしれません。
色調はリボッラ・ジャッラのように非常に濃く、オレンジがかった琥珀色となっています。更に、ヴィーノ・ビアンコのようにボトル下部はかなり濁っているので、事前に一定期間ボトルを立てておき、飲む前にある程度の澱下げを行っておくことをお勧めします。高いアルコール感(14%表記)、苦み、塩っぽさなど、硬質感ある厳格な表情が主体となり、ポテンシャル系の指向性が色濃く感じられます。ダリオ・プリンチッチのアイテムの中では最も個性と主張が強く、ある種「飲み手を選ぶワイン」と言えるかもしれません。
コアはかなりしっかりとしていますが、表層はダリオ・プリンチッチらしい流麗感溢れるスタイルで、相対的に果実感や甘味が控えめではあるものの、そのエネルギーは十分享受出来る範疇にあるので決して持て余すようなことはないと思います。潜在能力はかなり高そうですが、ヴィンテージのスタイルやセパージュなど、複合する各要素を鑑みるとやや難易度が高めな傾向にあるので、まずは他のアイテムを嗜み、より理解力を深めてから対峙することをお勧めします。
(2013/03)